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高気密・高断熱住宅の、寒暖差の激しい春と秋の過ごし方(1) ~温度差には窓の開け閉めで対応が前提


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高気密・高断熱住宅は万能か?

高気密、高断熱住宅は、それこそ万能ではないかとさえ思える広告がよくあります。

特に、暑い時期と寒い時期に焦点を当てているので、

夏は涼しい
冬は暖かい

というキャッチフレーズに誘導されます。

もちろん、それはとても大切です。

でも、本当に暑い夏の時期は一年の1/4、冬の寒い時期は1/4です。

あとの1/2は、春と秋です。

高気密・高断熱であるが故のデメリットもあります。

そうしたことを、実際に住んでみて感じることを綴っていきたいと思います。

開き戸の半開固定

断熱性能が高いとどうなるのか?

断熱性能が高い家というのは、確かに冬は暖かいです。

夏は、涼しくしておけば、その涼しさが保たれます。

いずれにしても、断熱性能ということなので、熱を遮るという点での性能が高いわけです。

しかし断熱性能が高いいうのは良いことばかりではありません。

一旦暑くなってしまった家は、冷めるのに時間がかかります。

春の時期、寒い時期から急激に暑くなる時があります。

特に5月。

気候が良いとはいえ、真夏のような暑さになることがあります。

2016年の5月下旬は、30度を超える日が連発しました。

ですから、家の中はどうしても暑さによって、熱が籠もってしまうわけです。

そして高断熱ですから、その熱を保とうと、家の中を温め過ぎてしまうわけです。

夜、外が涼しくても、家の中は熱帯夜となってしまうわけです。

窓を開けることを前提とする

ロスガードのような住宅の換気装置があるので、窓は開けなくても大丈夫ですよ。

営業さんはそういう触れ込みで話をしてくることがあります。

本当かなぁ。。。

私は一度として信じていなかったので、大丈夫です。

ただこれは嘘ではありません。

床暖房とエアコンを使えば、それは快適に過ごすことができるでしょう。

でも、どうでしょうか。

外気が寒いくらいなのに、家の中が熱帯夜。
その室内でエアコンをかけますか?

かけたほうが良いかもしれませんが、かけたくありませんよね。(笑)

窓を開ければ外から涼しい風が入ってくるわけですから、風のチカラを借りて家の中を冷やしたいものです。

つまり、

窓を開けることは前提

なのです。

どうも間取りを設計している間に、このような高気密・高断熱住宅の場合に限ってか、窓の存在は忘れられがちです。

窓を採光としてしか考えておらず、外気の循環経路として開けることが重視されません。

外気を取り込みたくない花粉やPM2.5などの飛散する時期はまだしも、そうでない時期は外気がそれほど汚れているわけでもないと思います。

ですから、

どれだけ窓を開けなくても大丈夫な高気密・高断熱住宅であっても、窓は開けるつもりで間取りを設計する

ことをオススメします。

高気密・高断熱を理解して、自然の力を利用する

床暖房も、エアコンも、とても快適ですが、できれば自然のチカラを借りて過ごしたいものです。

そうはいっても、家の周囲の環境、風の強さなどによっては、それを活かすことができないこともあります。

でも、いつもそういう状況ではないと思います。

常に電気を使って解決するというのは、やはり光熱費などのコストに跳ね返ってきます。

高気密・高断熱はある意味で諸刃の剣です。

ですから、特性を活かしながら、そして自然の力を利用した自分なりの住み方を探ってみるのが良いのではないでしょうか。

もしそれが面倒であれば、やっぱり電気のチカラを使って快適に過ごせば良いわけです。

自然のチカラは使えるときに使えば良いと思います。

せっかくの家なのでガマンをすることもあまりよくありませんので、しょうが無い時はスパッと諦めてエアコンに頼るのが良いでしょう。エアコンだってせっかく高いお金を出して付けたわけですから。

 
つづく ~高気密・高断熱住宅の、寒暖差の激しい春と秋の過ごし方(2) ~間取りを工夫して寒暖差の対策をする

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