四季のある生活
寒い時期と暑い時期で、部屋での過ごし方も異なります。
寒い時期は暖かさを求め、暑い時期では涼しさを求めます。
ですから、間取りを考える時期によって、考えることが少し異なってきます。
暑い時期に、冬の寒さを思い出すことはできても、半年ほど前の話なので実感が湧きません。
夏にダウンコートを選べと言われても、どんな鍋が好きかと聞かれても、イメージしにくいものです。
ですから、どうしても、現在の季節をイメージしてしまいがちですので、
間取りを考える時期だけでなく、年間を通じた生活のイメージを常に持ち続けることが必要です。
夏に考える間取り
夏は暑いので、できるだけ涼しさを求めます。
直射日光をできるだけ避け、部屋の中が暑くならないようにしたいと思うでしょう。
ですから、庇をつくり、影をつくり、風通しを良くし、エアコンの位置を考え・・・ということに意識が行きます。
もちろん、夏の過ごし方は重要です。
熱中症になってもいけませんし、せっかく庭があっても暑すぎて出られないのももったいないです。
熱い空気は上に上がっていくので、二階では寝苦しくなることもあります。
天井や壁の断熱が悪いと、屋根や壁が暑さを吸収し、輻射熱(こもった熱)でエアコンが効かないということもあるでしょう。
湿度も重要ですね。
エコカラットなど湿度調整をしたくなります。
一方で、冬の寒さを忘れがちです。
部屋をどのようにして暖めるのか、床暖房はどうするのかなど、どうしても後回しになります。
光熱費は、部屋を涼しくするより暖かくする方が高くなります。
気温差がありますから、35度を28度(-7度)にするより、5度を25度にする(+20度)にするほうがエネルギーがかかるのです。
ですから、夏の涼しさも大切ですが、冬のこともがんばってイメージする必要があります。
冬の間取り
冬の寒さが辛いという人も多いのではないでしょうか。
地域にもよりますが、夏の猛暑は2ヶ月ほどですが、冬の寒さはその倍の4ヶ月ほど(関東)になります。
ですから、冬を暖かく過ごしたいという気持ちは強く残りますね。
また、冷え性や足元の寒さから体が冷えるのが辛い人も多いですね。
床暖房が必須ですし、できるだけ日光を部屋の中に取り込みたくなります。
ですから、窓が大きくなりがちになりますし、できるだけ南側につけたくなります。
吹抜上下の窓で、部屋の中がぽかぽかに・・・ということも考えがちですが、夏の日差しはとても熱いということも忘れないようにしないといけません。
また、冬は太陽が低い位置を移動しますので、窓から入ってくる太陽の光が届く範囲も長くなりますので、眩しくもなります。
冬の太陽は優しいですから、夏の太陽をイメージしにくいので、夏の写真を見るなどして思い出すことが必要ですね。
春と秋の間取り
春と秋は気候が良いので、窓を開けたくなるかもしれません。
冬の寒さから開放された春、夏の暑さから開放された秋・・・
心地よい風を感じて過ごすのもいいですね。
このように家の中に風を通す場合には、建物の位置や窓の位置が関係します。
建物の周りが囲まれている場合などは、風がどの方向から抜けてくるのか?ということを考えなければなりません。
風が実際どの方向から抜けるのかは現地でないとわかりませんが、やはり、建物がない方向から風は吹き、風は抜けていきがちです。
また、風の入ってくる窓と、出ていく窓が必要です。
1つの窓ではなかなか風は抜けませんので、入ってくる窓を決めたら、どこから抜けていくかを考える必要があります。
同じ側の窓では風は抜けないので、入ってくるのと反対側の壁に窓があることが望ましいでしょう。
少なくとも、同じ側の窓に抜けていくことは難しいでしょう。
間取りを考える期間
こうして考えると、やはり春夏秋冬をイメージしながら家づくりをするのが好ましいといえます。
少なくとも、
冬から春を越し、夏すぎで決めるとか、
夏から秋を越し、冬をすぎて春で決めるとか、
夏と冬を経験しておくことは必要な気がします。
私たちは、環境に合わせることができてしまうので、意識しないと気づけないことがたくさんあります。
今、冬だからどう生活しているのか?窓は開いているのか?など、意識して見ないと気づけません。
たとえば、春の暖かい風を想像してみても、結局、黄砂で締め切っているかもしれません。
また、暖かさを優先して窓を大きくしても、光が眩しくてカーテンを閉めているかもしれません。
季節によって間取りが変えられたらいいですが、そうもいきませんし。。。
私はとてもひどい花粉症ですが、辛い時期のことを思い出すのはなかなかできません。
ですがやはり春になってみると、一日中くしゃみをしているので、
・窓を開けずに過ごしたい!
・洗濯の部屋干しがしたい!
・玄関にナノイーが欲しい!
と強く感じました。
もし間取りを作る期間に春が含まれていなかったら、こういうことを思わなかったかもしれません。
ですから、少なくとも夏か冬から3シーズンは体験しておくことをオススメします!
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