いずれ必要なくなる子ども部屋
今は必要ですが、いずれ必要なくなるのが子ども部屋。
実家で空き部屋となっている自分の部屋を想像すると、自分で家を設計するときにどうしても躊躇してしまいます。
あまり部屋数が多くとも、結局は物置になる・・・
子どもが大きくなって一人暮らしなどで家を出て行くのは必然のこと。
だからといって、部屋を用意しないわけにいかない現状に、どうしたらいいのか迷います。
子ども部屋の設計
子ども部屋はさほど大きい必要はありません。
地域やいろいろな考えにもよりますが、最低は4.5畳、多くは6畳というケースが多いかもしれません。
子どもが2人居れば2部屋、3人居れば3部屋必要になろうかと思います。
子どもの部屋を大小つけるのは親として少し気が引けるので、全部同じ大きさの部屋にする人が多いでしょう。
ですから、同じサイズの部屋が単体でいくつも存在してしまうことになります。
部屋の再設計を可能にする
同じサイズの部屋がいくつもあるより、後で部屋を繋げて使えるように設計するのも1つの方法です。
子ども部屋を隣り合わせで設計し、壁を取り除けば大きな部屋として使えるようにしておくということです。
壁を取り除けるようにしておく
たとえば6畳の部屋が2つ繋がれば12畳になります。
12畳もあれば、夫婦の部屋として再利用することができるかもしれません。
また、子どもが家族で泊まりに来たとしても、大部屋として活用できるかもしれません。
ここで大切なのは、2つの部屋を仕切っている壁を取り除けるような構造設計にしておくことです。
仕切っている壁が、構造上、強度を保つために必要な壁になっていると、取り除くことができません。
しかし、単なる間仕切りとしての壁で存在していれば、後からその壁を壊して取り除くことができます。
大きな部屋を扉で仕切っておく
あるいは、最初から12畳の設計をしておいて、その間を引き戸で仕切っておくという方法もあります。
三枚や四枚の引き戸を設置すれば、部屋を区切ることができます。
この場合、戸を外せばすぐに12畳の部屋になります。
しかし、所詮、扉ですから、壁のような機能を求めるのはとても難しいです。
一番大きな課題は、防音です。
壁のように音を遮断してくれるわけではないので、ある程度の音が聞こえてしまいます。
また、壁ではないので、画鋲で絵を貼ったり家具を固定することも難しいです。
間仕切りとしての戸の機能以上のものはありません。
利用イメージをして、体験を共有する
子どもが何年後に何歳か、一人暮らしをさせるのか、その後はどうなのか。
そういうことを具体的に想像してみましょう。
また、夫婦で話すことも大切です。
それぞれの育った環境によって、子育て環境の常識は大きく異なるので、方向性を合わせておく必要があります。
大部屋でたくさんの兄弟で育った人と、一人っ子では全く違います。
やはり思春期の子どもにとって、何かしら空間で区切られているという環境はあって良いと思いますが、そこにどこまでの間仕切りが必要かは、考え方もそれぞれです。
こうでなくてはならない、ということはありませんが、戸で良いか壁でなくてはならないかは、いろいろとシミュレーションをしてみる必要があると思います。
実際のモデルルームや宿泊体験施設にもそういった設置をしてあるところもあるので、体験をしてみるのが一番良いでしょう。
未来は予想できない
とはいっても、未来は想像できません。
18歳大学で一人暮らし、25歳頃結婚・・・などと親が描いても、そうはなりません。
高校から寮に入るかもしれませんし、生涯一緒に暮らすかもしれません。
ですから、あまり先のことを考えすぎないことも大切です。
また、活用するといってもどのように活用するのか/できるのかは、未来になってみないとわかりません。
私は結局、子ども部屋を横に並べて、壁を壊せるように設計しました。
ずっと壊さないかもしれませんし、壊したければ壊せばいいので、最初から戸にするのはやめました。
みなさんもいろいろと想像してみて設計してみましょう。
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